【貿易統計】2026年1〜7月累計 メキシコ対日農水産物
アガベ蒸留酒が2位に上昇、全体では緩やかな回復基調を維持
メキシコ農業省アジア太平洋地域代表事務所が発表した2026年1月〜7月累計の「メキシコ・日本 農水産物貿易収支報告書」に基づき、最新の貿易動向を客観的に解説します。
2025年同期に見られた減少傾向(約12%減)から一転し、2026年同期は主要品目の復調や新規取引の発生に伴い、前年同期比でプラス成長(回復基調)を維持しています。以下にその詳細をまとめます。
■ 2026年1〜7月累計の要点
- 総括: 対日輸出額は6億7,290万ドル(前年同期比 +6.5%)となり、前年の不振から回復。
- 主要品目の交代: アガベ蒸留酒(テキーラ等)が前年同期比+64.2%と大幅に増加し、アボカドを上回って品目別輸出額で初の第2位に浮上。
- 新規需要: 前年同期に実績のなかった「サトウキビ砂糖」が約1,013万ドル(10位)となり、全体の輸出額を押し上げる要因となりました。
1. 貿易収支の概要
輸出額の増加に加え、日本からの輸入額が減少したことで、メキシコ側の貿易黒字は拡大しています。
- 対日輸出額: 6億7,290万ドル(前年同期比 +6.5%)
- 対日輸入額: 1,790万ドル(前年同期比 -24.2%)
- 貿易収支(黒字幅): 6億5,500万ドル(前年同期比 +7.7%)
2. 主要輸出品目の動向
【増加傾向の品目】
- 1位:豚肉
- 輸出額: 3億84万ドル(前年同期比 +11.8% / 数量 +13.3%)
- 最大の主力輸出品として、前年比で金額・数量ともに2桁台の回復を記録し、安定した需要を維持しています。
- 2位:アガベ蒸留酒(テキーラ、メスカル等)
- 輸出額: 5,529万ドル(前年同期比 +64.2% / 数量 +65.2%)
- 金額・数量ともに前年同期比で1.6倍以上の急速な伸びをみせ、これまで2位だったアボカドの輸出額を僅差で上回りました。
- 3位:アボカド
- 輸出額: 5,433万ドル(前年同期比 +14.5% / 数量 +75.6%)
- 順位は3位に後退したものの、輸出数量は2万2,254トンと大幅に増加しており、日本市場への供給量が大幅に伸びています。
- 10位:サトウキビ砂糖(新規)
- 輸出額: 1,013万ドル(数量: 2万4,927トン)
- 前年(2025年)は輸出実績が記録されていませんでしたが、今年に入りスポット契約または新規のバルク取引が発生したとみられ、トップ10入りしました。
- コーヒー類
- 緑茶等を除く嗜好品では、コーヒー生豆が前年比+46.5%、インスタントコーヒーが前年比+69.0%と、それぞれ顕著な伸びを示しています。
【減少傾向の品目】
- 16位:太平洋クロマグロ
- 輸出額: 499万ドル(前年同期比 -61.9% / 数量 -60.1%)
- 前年に見られた急激な増加から一転し、2026年に入ってからは大幅な減少トレンドが継続しています。
- 8位:アスパラガス
- 輸出額: 1,272万ドル(前年同期比 -32.8% / 数量 -45.9%)
- 主要供給国であるものの、今期は取引規模が縮小しています。
- 4位:牛肉
- 輸出額: 3,642万ドル(前年同期比 +5.3% / 数量 -13.1%)
- 単価上昇の影響で輸出金額自体はプラスを維持していますが、輸出数量は2桁減となっており、米国や豪州などの主要競合国に対する劣勢が推測されます。
3. 日本の輸入市場におけるシェア
2026年1月〜7月累計の日本の農水産物・水産物の輸入総額(441億9,550万ドル、前年比-1.6%)の中で、メキシコは第16位の供給国となっています。
全体の輸入規模が微減するなか、メキシコはシェアを1.52%(前年は約1.3%台)に拡大させており、厳しい世界競争のなかで一定のプレゼンスを維持、あるいは微増させていることが示されています。
まとめ
2026年7月までの累計データは、メキシコの対日農水産物貿易が「豚肉」「アボカド」の従来型主要2品目に加え、「アガベ蒸留酒」という高付加価値製品が第3の柱、さらには第2の地位を確立する構造的変化を捉えています。
また、サトウキビ砂糖のような新規の動きが突発的に見られる一方で、マグロやアスパラガスなどの一次産品の落ち込みに対する推移も、引き続き注視する必要があります。
出典
本レポートは、メキシコ農業省アジア太平洋地域代表事務所(Consejería de Agricultura para Asia-Pacífico)による以下の公式統計データに基づいています。